食卓に珈琲の匂い流れ


        **********


          食卓に珈琲の匂い流れ


    食卓に珈琲の匂い流れ

 

    ふとつぶやいたひとりごと

    あら 

    映画の台詞だったかしら

    なにかの一行だったかしら

    それとも私のからだの奥底から立ちぼった溜息でしたか

    豆から挽きたてのキリマンジャロ

    今さらながらにふりかえる

    米も煙草も配給の住まいは農家の納屋の二階 下では鶏がさわいでいた

    さながら難民のようだった新婚時代

    インスタントのネスカフェを飲んだのはいつだったか

    みんな貧しくて

    それなのに

    シンポジウムだサークルだと沸きたっていた

    やっと珈琲らしい珈琲が飲める時代

    一滴一滴したたり落ちる液体の香り

    

    静かな

    日曜日の朝

    食卓に珈琲の匂い流れ…

    とつぶやいてみたい人々は

    世界中で

    さらにさらに増えつづける